もしかしたら悩んで悩んで悩んで
この記事にたどりついてくださったのかもしれませんね。
ようこそ。
HSC(ひといちばい敏感な子ども)の子育ての世界へ
私は ばるママと申します。
ばるママの長女ちゃんは
今では歌が大好きな活発で素敵な女の子だけど
赤ちゃんの時はいつでも泣いていたっけね
そうなの
初めての子育てだったし
あの頃辛すぎて
もはや記憶がないくらい…
私には現在小学生の娘が2人います。
感受性が豊かで、かしこく(親バカですが)、笑顔が可愛い元気な2人です。
でもそう思えるまでには少しばかり、いや正直言うと大変な苦労をしてきました。
そういう現在も、まだまだ苦労の真っただ中におりますが、以前とは比べものにならないくらいに私自身の心のもちようが変わりました。
この記事は、
もしあなたのお子さんが「ひといちばい敏感(HSC)」な子なら、
その特性を知り、育て方を知れば
少しラクになるかもしれないです!
ということを伝えるものです。
また、
赤ちゃん時代には泣いてばかりでどこにも連れていけなかった長女と、
度々癇癪が爆発し激高して私に怒鳴り散らしていた次女が、
今では彼女たちの敏感さが才能として素敵に開花しつつあり、明るく元気に育っていることを
ご報告するものです。
今辛い思いをしているあなたに一筋の光になったらいいなあという想いで書いています。
うちの子 HSC(ひといちばい敏感な子)?
お子さんは…
泣いてばかりいますか?
なかなか寝ない子ですか?
癇癪を爆発させることが多いですか?
苦手な場所や苦手な音がありますか?
賑やかな場所を嫌がりますか?
ひどい偏食ですか?
…
親は大変ですよね。
よその赤ちゃんやお子さんがニコニコご機嫌で過ごしているのを見ると
「なんでウチばっかり」と思いますよね。
もしかしたら、
あなたのお子さんは他の子よりも敏感に外の世界のことを感じ取っているのかもしれません。
着せている服は縫い目のゴソゴソが肌にあたっていませんか?
家電からウィーンと小さな音が出ていませんか?
あなたがおしゃべりしている相手はあまり好きな相手ではなく、実はあなたも居心地が悪いなと感じていたりしませんか?
大抵の人がやり過ごしてしまう日々の様々なことを、
その子は全身全霊で感受しているのかもしれません。
もしかしたら、5人に1人と言われているHSC(ハイリーセンシティブチャイルド)かもしれません。
もう限界! 夜泣き・癇癪・泣きやまない・寝ない子・虐待してしまいそう
寝ない赤ちゃん 泣いてばかりいる赤ちゃん
現在12歳のわが子の赤ちゃん時代の写真は、いつでも泣顔ばかり。
カフェや子育てサークル、支援センターなどに連れて行けば、玄関に入った時点で号泣が始まりました。
また、一回泣き始めると何をどうしても泣きやまないので、
電車やバスなどはもちろん、赤ちゃん連れでお友だちとランチなんて、夢のまた夢でした。
昼間は抱っこしていないと機嫌が悪いし寝ないので、常に抱っこかおんぶ。
夜の寝かしつけも、1~2時間コースは当たり前でした。
私はひと時も休まず長女を抱き続けなくてはならず、
食べれず眠れずで妊娠前より8キロ痩せてげっそり
今思えば鬱の一歩手前だった
よその赤ちゃんが床やベビーカーにごろんとしたまま1人ご機嫌でニコニコしている姿を見て、
「こんな赤ちゃんがいるの?」と驚いたことを覚えています。
それくらい、わが子はいつでも泣いていました。
そして、よその子がおだやかに過ごしているのに、わが子は泣いてばかりいるのが悲しかったのです。育児書を読んであれこれ試してみても全然ダメ。私の育て方がいけないんだと何度も自分を責めていました。
夜泣きもひどかったです。
抱っこして寝たからといって、ベッドに横にするとすぐに起きてしまうので、
私は体力の限界で朦朧としながら抱っこし、スマホで「赤ちゃん 寝ない」「癇癪」「夜泣き」「泣きやまない」「限界」「発達障害」「虐待」というような検索ばかりしていた気がします。
そんな長女ですが、言葉をしゃべれるようになってからは彼女の気持ちを理解してあげることができるようになりました。
泣いていたのには理由があったのです。
「人ごみはいやだ」「暑い」「寒い」「服がチクチクする」「ヘンなにおいがるす」「空気が湿っている」「早く帰りたい」「ママがよその人と話をしているからやめて欲しい」「眠るのが怖い」「音がうるさい」「光がまぶしい」「手に何かついたから洗いたい」・・・・・
とにかく、ありとあらゆる刺激を五感でめいいっぱいに受け取って、それを私に訴えていたのです。
しゃべれるようになって本当に助かった!と心から思ったものです。
いちいち対応をしなければならないのは大変ですが、なぜ泣いているからわからないよりも、具体的な要求がわかるようになったので、こちらも対応ができるようになりました。
毎日1時間癇癪を起こす子
一方、次女は赤ちゃんの頃はおだやかで育てやすい子だなと思っていました。
いつでも大泣きの長女と違って、ニコニコすやすやと過ごしてくれる赤ちゃんでした。
しかし、保育園に通い始めると様子が変わります。
保育園から帰ると1時間くらい、私にしがみついて泣いたり怒ったりするのです。
年長になって語彙が増えてくると、「バカ」「いじわる」「うざい」などの言葉を仕入れてきては、帰宅後に私にむかって泣きながら吐き続けるという感じでした。
次女は、人の感情や意図を強く受け取るタイプなのだと思います。
なので、保育園ですごくすごく頑張って一日を過ごし、帰ってくるとそのストレスを母親にぶつける、ということだったのでしょう。
ひどい言葉を毎日1時間聞かなければならないというのは、相手が子どもであろうと辛いものがありました。
2人ともHSCではありますが、タイプが異なるんですよね。
長女は、五感で刺激をめいいっぱい感受し、深く理解し要求をするタイプ。
次女は、人の気持ちや意図を受け取り、安全地帯に来たとたんに爆発的に吐き出すタイプだったのです。
HSCは発達障害と思われやすいです
特に、長女は大きい音が苦手で、両手で耳をふさぐポーズでしゃがみ込むことがありました。
また、大勢の人がごった返すような場所が嫌いで保育園のお誕生日会の日は、ホールに一歩も入れなかったりしました。
音や光に過剰に反応したり、納得がいかないと泣き叫んだり固まってしまうことがあり、第1子ではじめての育児だったため、私は何度となく「この子は発達に障害があるのかな?」と思いました。
発達障害についても調べてみましたが、その情報や支援策はなんだか我が子たちにはしっくりこない気がしていました。
そんな時に、お世話になっていた助産師さんから教えてもらったのがHSC(ひといちばい敏感な子)という概念であり、この書籍でした。
泣きやまない、なかなか眠らない、相手の気持ちや細かい変化によく気がつく、服のチクチクなどにも敏感に反応する……。これは、5人に1人いる「ひといちばい敏感な子」(Highly Sensitive Child=HSC)の特徴です。HSCは、学校や病院では発達障がいなどと混同されやすく、HSCを育てる親御さんは「自分の子どもがおかしいのでは」「自分の子育てが間違っていたのでは」と、子育てに悩みを抱えることが多くあります。
Amazon 書籍『HSC(ひといちばい敏感な子)』書籍紹介より引用
本書は、HSCを育てる親御さん・先生に向けて、HSP(Highly Sensitive Person)の提唱者であるアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が「生まれつき敏感な子どもたちをどう育てていけばよいか」を、研究・臨床の結果と自身の子育て経験をもとにやさしく解説します。
『HSC(ひといちばい敏感な子」』の書籍を読んで「これだ!」と思いました。
全ての謎が解けた気分でした。わが子のことが書いてありました。
表面的な出来事、例えば「よく泣く」「眠らない」「感情を爆発させる」などの根底にあったのが「感覚がひと一番敏感である」ということだったのです。
また、著者のアーロン博士は、研究者でありながらHSCを育てる母親でもあることから、愛情のある書きぶりで、具体的な事例と対応策がちりばめられていました。
私はこの著書を読んで涙が止まらず、「これだ!これだ!」と興奮がとまりませんでした。
そして、その日から我が子を見る目が変わり、自信を持って子育てに取組むことができるようになったのです。
ひといちばい敏感な子の子育てが難しいのは、子どもが悪いのでも親が悪いのでもありません。
この世の中の多くのシステムや「世間体」みたいな価値観が、敏感ではない人向けに作られたものであることが原因です。
また、そのような社会で生きてきた親が、子どもの敏感さにどのように接すればわからないことが大きな戸惑いのひとつです。
さらには、多くのプロの保育者や教育者からの理解と協力が得られないことも親子を苦しめます。
わが子は悪くない。
悪いどころか素晴らしい素質を持っている。
この子を信頼することは間違っていない。
そう思えたのが、この本を読んで思った一番の収穫でした。
HSC(ひといちばい敏感な子)子育ては「甘やかしすぎ」でちょうどいい
HSCに「怒る」必要がない理由
そして、この本を読んで心にささったのは。
「ママは甘やかしすぎと言われることでしょう。でもそれでいいのです」
という言葉でした。
例えば私は
偏食の娘たちに「出されたものは全部食べなさい」とは言いません。食べ物の味もにおいもひといちばい敏感に感じとっているので、苦手なものを食べるのが本当に辛そうだからです。ですので「残す時は失礼のないように(だまってきれいに)残しなさい」
また「すべてのお友だちと仲良くしなさい」とも言いません。人の気持ちをひといちばい敏感に感じとるので悪意のある人や乱暴な子と付き合うことは本人が相当消耗するからです。ですので「苦手な子とは離れなさい」と言っています。
友人に「ばるママは怒らないよね。私にはできない」
なんて言われます。
優しい気持ちで言ってくれる友人もいれば
「親なら自分の子どもをちゃんとしつけなさい」という意味を込めて嫌味のように言ってくる人もいます。
また、子育ての先輩である実母に「甘やかしすぎじゃない?」と言われた時は相当こたえました。
自分でもたびたび思っていたからです。
「こんなに子どもの言いなりでいいのかな。」と。
でもこの書籍でアーロン博士は言ってくれます。
ーHSCの親は必ず「甘やかしすぎ」って言われるわ。
でもそれでいいのよ。
HSCの子どもは本当はよく理解しているから、怒る必要はないし、むしろ怒ると逆効果です。ー
とアーロン先生(泣)
アーロン先生の言葉に何度はげまされたことか!
涙なしには語れないのよ
世間体よりわが子を優先して
HSCの子を育てていると「怒るのって意味ないな」って親もうすうす気がついてきます。
それでも
「〇〇ちゃんに貸してあげなさい」
「みんなで仲良くあそびなさい」
「みんな我慢しているんだからあなたも我慢しなさい」
なんて怒っちゃうんです。
でもそれってよく考えたら
「親の私はこんなに頑張っているんですが子どもが悪いんですよ」
っていう世間様へのアピールなんです。
我が子を人前で怒るのって、危険を避けるという場合を除いたら、
世間様への言い訳をしている場合が多いのではないでしょうか。
私もいつもこの、自分の「いい子しい」と戦っています。
この、親の「いい子しい」「エゴ」を、HSCの子はほんと~に敏感に感じますので、HSCの子は納得しません。
おとなしい系のHSCに子だったら、その心に静かに澱(おり)がたまっていきます。
我が家のように激しい系のHSCだと「絶対貸さない!だって自分のだもん!」と余計に意地になって反発してきます。
落ち着いてから話を聞くと「これは自分ものである。あの子はなんでも借りたがるけれどすぐに飽きて違うことをやりだす。だからあの子に貸す必要はない。」などとしっかりと考えていることに驚きます。
HSCの子は、ひとつひとつの言葉や状況を深く感じて理解して思考しています。だから世間一般のありがちなやりとりや子どもだましでお茶を濁すことはできないのです。
「かして~」「いいよ~」
「ごめんね」「いいよ~」
は、本人にとったら全然よくないし(笑)、意味のないことがバレているのです。
そのあたりを意識すると、HSCの子たちと本音の付き合いができるようになってきます。
光、音などもそうです。
今まで何気なくやり過ごしていた街の騒音、家電のアラーム音、PCのブルーライト、テレビなどありとあらゆるものへの対応を迫られます。
人の感情に敏感な子の場合には、人との付き合いについても丁寧に向き合っていく必要があります。
「自分が参加したくない行事になぜ参加しなければならないか」
「どうしてママはあまり好きじゃないはずのあの人と笑顔でおしゃべりしているのか」
などいろいろなことを質問されます。
そんな時は「参加したくない行事だといういうことはわかったよ。でも今回は〇〇という理由で参加した方がいいかもしれないね。あなたはどう思う?」
とか
「ママはあの人のことがすごく好きなわけではないけれど、どんな人でもお互い様で助けたり助けてもらったりすることがあるんだよ。マナーとして笑顔でおしゃべりすることで、お互い気持ちよく過ごすことができるよ」
など、丁寧に説明をします。
自分が思いもよらなかったことを指摘されて考えなければならないので、すごく手間ヒマがかかります。私もだいぶ忍耐強くなった気がします(笑)
けれど、不快になる沸点が低すぎるだけで、それを理解してもらったり、とりのぞく対応をしてもらえたり、自分で取り除けるようになるすべを手にいれれば、ご機嫌でいられるようになるのです。
ひとつひとつ丁寧に対応さえすれば、徐々にその敏感さとの付き合い方を覚えていきます。
また、現在12歳と9歳になった我が家のHSCたちは、成長にともなって許容範囲も広がってきたように感じています。
HSC子育ては難易度高し。だけど本当に素晴らしい
私自身はというと、よく「おおらかだね」と言われるタイプ。良くも悪くも(トホホ)。
忘れものも多いし、何か嫌なことがあっても「ま、いっか」と流してしまうタイプです。
「かして~」「いいよ~」に何の疑問もなく素直に従える子どもでした。
けれど、娘たちが言う「服のチクチクがいや」というのは、私自身も子どもの頃に感じていました。
フードコートはガチャガチャしていて苦手なのでほとんど行きません。もしかしたら私自身も敏感な気質を持ちながら、それにフタをして生きるすべを身に着けてきたのかもしれないなあなんて思います。
一方で夫は私の10倍敏感です。
手が汚れるのが嫌いらしく、しょっちゅう手を洗っているところなどは娘たちとそっくりです。人の気持ちにも敏感なので、世間でよく言われるような「無神経なパパ」的発言は聞いたことがありません(笑)。
このように我が家で一番敏感ではないのは私ですが、夫と娘たちの敏感さを理解しようと努める過程で、彼らが感じている世界の深さとクリアさに驚きと感動を覚えています。
動物園から帰ってきた人の夜に、窓から見えるお月さまを見て「このお月さまをあのキリンさんたちも見ているかな?」なんて聞いてきた時には、その感性の豊かさに感動しました。
あなたにはこんなことも見えているの?
まだまだ小さいあなたがそんなに深い思考ができるの?と驚くことばかりです。
アーロン博士の本にはこんなことも書かれています。
ーHSC/HSP(大人の場合はHSPという)は人口の1/5います。
それはそのように敏感なことが生きていくなかで必要とされているからです。
敏感な人が一定数いた方が、種として生き残るのに優位だったから未だに残っているのです。
HSCはその敏感さ、思慮深さから、医者や弁護士、アーティストなど様々な職業で活躍しています。
HSCの人が見る世界を共有し、HSCの子どもを育てるということは素晴らしいことです。ー
この本をバイブルとして、私は2人の娘の子育てをしています。
最近は「繊細ちゃん」「繊細さん」という呼び名でこのHSCの概念が広まってきていてありがたく感じています。
中には、HSCの子の「生きづらさ」「困難さ」ばかりについて言及してしている書籍やYouTubeやSNSなどがありますが、本来は「困難」もありつつ「素晴らしい素質・気質」であることも同時に周知が広がっていけばいいなあと思っています。
この記事を読んで、ピンときた方はぜひアーロン先生の『HSC(ひといちばい敏感な子)』という書籍を読んでみてくださいね。
HSC子育てを通してご一緒に素敵な世界を見ていけたら嬉しいです。